公募研究の募集

概要

本領域は、数学と物質・材料科学が協働し、普遍的かつ数理的な物質・材料科学という新領域を創成しようというものである。究極的には材料系に寄らない普遍的な手法を確立することを目指すが、まずは、材料系ごとの課題を理解するために、研究項目それぞれに対象とする物質を定め、数学及及び物質・材料科学の新手法を開発し、従来の機能を超える新材料を探索する。公募研究においては、より多様な手法や材料への展開を期待している。

提案自体は、数学、理論、実験単独であっても良いが、採択後は数学や理論の研究者と実験系の研究者が積極的な議論をすることを期待しており、いずれも研究項目内における数学・理論・実験の共同研究推進と、同時に研究項目間の連携を強く要請する。

A01 トポロジカル物質

研究項目A01では、物質のトポロジー相に依存するロバストな状態を持つトポロジカル物質を課題としている。特にトポロジカル相の普遍的原理の解明を目指す数学・理論物理からの提案や、数学モデルに基づく新たなトポロジカル物質の創製をめざす実験系の提案を募集する。

A02 ネットワーク解析による高分子材料

A02では高分子材料とネットワーク解析を研究する。高分子材料を静的・動的階層ネットワークととらえて解析し、多機能材料を合成することを目指す。公募研究ではより広く液晶・コロイド・ゲルなどのソフトマテリアルやその相分離構造に対して、数学や理論の研究者との議論に積極的な実験系(観測・合成)の提案を募集する。また、数学・理論系の提案に関しては階層構造の解析に資する提案を歓迎する。

A03 極小曲面とナノ構造の動的構造形成

A03ではナノ構造の動的構造形成を研究する。複雑な多連続多孔質構造の分類や動的構造形成のための数学・計算理論、これらを活用する複合材料の合成や動的構造形成を制御する手法に関する実験系の提案を期待する。

B01 物質・材料科学のための情報科学基盤

情報科学基盤では数学―物質材料科学連携やデータ駆動材料探索に有益な情報科学的手法の提案を募集する。

予算額と採択件数

研究項目 応募上限額 採択目安件数
A01 トポロジカル物質 (1) 900万円×2年
(2) 300万円×2年
(1) 5件
(2) 15件
A02 ネットワーク解析による高分子材料
A03 極小曲面とナノ構造の動的構造形成
B01 物質・材料科学のための情報科学基盤